初めて歯科医院を訪れる子供たちは、少なからず『歯医者さんはこわいかな?』『不安だな』と思っていることでしょう。
子供のころに受けた歯医者さんへのイメージは、大人になってからも影響が大きいと思います。
私たちは『生涯の出会い』となる小児歯科の治療がとても大切だと考えています。
子供にとっては歯医者さんに通うこと・治療をすることは大変な体験です。
ですから私たちは子供たちを笑顔で帰せるような治療を心がけています。
■虫歯がある場合(なぜ虫歯になってしまったのか一人一人に合った指導をします)
- 1.トレーニング(初めて治療を受けるお子さん)
- 初めて治療を受けるお子さんが、治療に入りやすいように、簡単な治療のトレーニングをしていきます。鏡でお口や器具をみてもらいながら、唾液をバキュームで吸ったり、風(エアー)を歯にかけてみたりします。
誰でもいきなり治療を受けるのは怖いものです。小さなお子さんならなおさらのこと。
しかしトレーニングをすることにより、大丈夫なんだ、やれるんだという自信と安心感を得ることができます。本格的な治療に入る前にこのトレーニングを行うことは、非常に大切だと私たちは考えています。
鏡で見てもらい、緊張をほぐしていきます
バキュームで唾液を吸う練習
- 2.ブラッシング指導、クリーニング
- 虫歯の治療の前に歯をクリーニングしていきます。歯の表面に歯石やプラークが付着しているときれいに詰め物をしたりすることができません。
きれいに治療していくために、クリーニングをしたり、自分でお口の衛生状態をよくしていくための歯ブラシの練習もしていきます。
緊張がほぐれてきたところで歯をきれいにしていきます。
虫歯処置の前に歯をきれいにするのが大切です
- 3.虫歯の治療
- 虫歯になっている部分を除去し、きれいにプラスチック(レジン)で詰め物をしていきます。
虫歯が根まで波及している場合は、根の消毒の治療もしていきます。
虫歯の治療が終わった後は、シーラント、フッ素塗布をして虫歯の予防をしていきます。
- 4-1.シーラント
- シーラントとは、「虫歯になっていないけれど、歯の咬む面の溝が深く、虫歯になりやすい所を意図的に埋めて虫歯になりにくくする」、という予防的な処置です。
- 虫歯になりやすい奥歯の溝をよく清掃し、液体のプラスチックを流し込み固めます
- 4-2.フッ素塗布 料金¥1,620
- フッ素塗布を行うと、フッ素イオンが歯の表面に取り込まれ、歯質を強化し虫歯になりにくい歯になります。
これも虫歯予防の1つです。
リンゴ味で、お子さんたちに好評です。
- 5.リコール(定期的に健診をすることで、早期発見・早期治療ができます)
- 虫歯の処置が終了したら、メインテナンスをしていきます。
- 再び虫歯にならないようにすることが大事です。
- 私たちは、「小児歯科におけるメインテナンス」をとても重要だと考えています。
定期的なメインテナンスをすることにより、虫歯の早期発見、早期治療をすることができますし、乳歯から健全な永久歯列へと交換させていくことができやすいからです。
虫歯が深く根まで波及している乳歯の場合、その虫歯の菌や膿みを避けようと本来の位置ではなく違うところから生えてくるようになってしまうこともあります。
そうしたことを避けるためにも、メインテナンスは非常に大切に思います。
特に小児のメインテナンスは重要です。乳歯は永久歯と違い、虫歯菌による酸に脱灰されやすく、虫歯になりやすいのです。また甘い物を好んで食べる 年齢でもあるので、なおさらです。
乳歯列期から混合歯列期、混合歯列期から永久歯列期へと大人の歯に成長していくこの大切な時期に、しっかりとメインテナ ンスをしてカリエスフリーの状態(虫歯のない状態)にすることは非常に大切だと考えております。
乳歯列のみの場合
歯並びが良く、段差がないので混合歯列期に比べて虫歯になりにくい
混合歯列(乳歯と永久歯が混在している)場合
こういう段差の所から虫歯ができやすいのでしっかりとメインテナンスしていきます
歯と歯の間に段差ができ、非常に虫歯になりやすい時期で、普段のケアがとても大切です。
この頃からは自分で身の回りのことがある程度出来るようになっている時期でもあり、だんだん保護者の手がかからなくなり、仕上げ磨きもやらなくなってしまう時期でもあります。
しかしこの時期は保護者の仕上げ磨きが大切で、虫歯チェックや予防のための定期検診が非常に重要だと考えます。
リコールの重要性
- 乳歯の虫歯は進みが早い
- 初期の虫歯は痛みなどの症状がでないことが多いので、子供や親も気付きにくい
- 乳歯から永久歯への生え換わりがスムーズに行えるか
- はえたばかりの永久歯は虫歯になりやすい
* 治療の流れは虫歯の状況によります
歯医者が初めてのお子さんにはまず、歯医者はどんなところでどんな物があるのか興味を持ってもらいたいと考えています。環境になれていくこともトレーニングの一つと考えています。
子供の治療は『子供』、『親』、『ドクター』、『スタッフ』の信頼関係があってこそ成り立ちます。分からないことや不安なことなど、気軽にお話してほしいと思います 。
- 3歳以下のお子さん(個人差はあります)
- → トレーニングしてもなかなか理解できない年齢でもありますので、泣いたり暴れたりすることがあります。
- 3歳以上のお子さん(個人差はあります)
- → 初めての場合や慣れていない場合は、トレーニングを行い、お子さんに説明しながら治療をします。無理に治療をすることはしません。
しかし、重傷の虫歯ですぐに治療を始めなければならない場合は暴れると器具などでケガをすると危ないので、スタッフや親の協力で治療を行う場合があります。
出来るだけ保護者の方(お子さん本人も)とコミュニケーションをとり、どのような治療が望ましいのか話し合って選択していきたいと思います。
お子様にとっては少しの治療でも大変な経験です。ムリのない治療計画をたてて進めていきたいと考えています。
■虫歯がない場合(きれいな状態を保てるよう予防指導します)
- 1.クリーニング ブラッシング指導 食生活のお話など
年齢に合った歯ブラシの方法があります
- 低年齢(0~3歳くらい)の場合
- 特に親による仕上げみがきが重要です
- 4歳~小学校低学年くらいまで
- 本人への指導と親の仕上げみがきも必要です
- 小学校中学年くらいから
- 本人への指導 1週間に2、3度の親のチェックがあるとよい
シーラントなどの予防的な処置をしていきます
フッ素塗布
高濃度のフッ素を定期的に歯に塗布する方法です。
お子様はもちろんのこと、大人の方も定期的なフッ素の使用をおすすめします。
■フッ素
「フッ素で虫歯を予防し、強い歯、丈夫な歯にしましょう」
フッ化物洗口洗剤 ミラノール
- フッ化物洗口
- 低濃度のフッ素の液体で1日1回うがいをする方法です
1. まずは通常どおり歯磨きをします
2. うつむいてぶくぶくうがいを30秒
3. 液を吐き出します
1日1回、寝る前にブクブクうがいをしてみて下さい。
新たな虫歯予防策として非常に効果的です。
根気よく毎日ずっと使い続けることで高い予防効果があります。
作り方も簡単
1. ミラノール1包を専用の溶解瓶へ
2. 200mlの水(水道水)で溶解
3. よく振って溶かす
これだけで簡単に作れます
- フッ化物配合歯磨剤
- 毎日の歯みがきにはフッ素配合のものがおすすめです
- フッ化物塗布
- 高濃度のフッ素を定期的に歯に塗布する方法です
お子様はもちろんのこと、大人の方も定期的なフッ素の使用をおすすめします
フッ化物塗布
■フッ素の働き
- 歯質の強化
- 虫歯菌に負けない強い歯になる
- 抗菌、抗酵素作用
- 虫歯菌の働きを弱める
- 初期虫歯の予防
- 成りはじめの虫歯を予防する
- 再石灰化
- 初期虫歯で脱灰した部分を修復する